図 書 室6
動物たちの愉快な事件簿              ユージン・リンデン 著 
 
この本の原題はTHE Octopus and Orangutan(蛸とオラウ-タン)という題である。
 
タイトルは前記通りだが、その他の多くの動物が参加している。何故この本を取り上げたかと言うと、動物の知能の高さに付いて

新たな認
 識を得たことであるる。但し、この本でも取り上げているがあくまでも飼育された動物が中心なので野生動物とは一線を

於かねばならない。ユニークなエピソードの一例を上げると鶏と仲良く寝るライオンとかサッカーに興じるペンギンとかさまざま。特

に驚かされたのは蛸の知能の高さであるが、この本では動物によっては人間が思っている以上に知能が高いことを事例から説明

している。またこの作者は一度人間に飼育された動物を自然に帰すことの難しさを通して自然保護の大切さを提唱している。 い

ずれにせよこの本を読んでから動物園
か水族館に行くと更に楽しくなる事、間違いない
 
 
唯識という生き方                     横山 紘一 著            
 
唯識とは仏教哲学の一つで歴史的にはインド仏教以来の、仏教の基礎とも言われる学問である。教義は大変難しく今まで唯識仏

教の本を何冊か挑戦して読んだが、難解な部分が多く理解が出来ない所が多かったがこの本はその中でも割りと容易に理解でき

る書になっている。ここで唯識についての説明となるが、キーワードは心(認識)で森羅万象全ては心によって決まる。唯識学は最

も根源となる深層意識(阿頼耶識)から表層意識まで含め徹底的に分析した学問でその考えを基に、人間の生き方を説いた仏教

学。ここで唯識学とはちょっと離れるが例え話で、ここに一億円持った人物が二人います、一人はつい最近まで10億円ぐらいあっ

たのですが事業に失敗して残った金額が一億円、もう一人は元々貧乏であったがある日宝くじで当たった金額が1億円、二人の

手元にあるのは同じ一億円ですが二人にとって価値は同じでしょうか?。 私みたいな貧乏人にとってはどっちにしても一億円大

金に決まっとる!。
 
つい先日も居酒屋にさえない中年オヤジ3人ぐらいで飲みに行った時、バイトのねーちゃん(すいません下品で)のことを一人はエ

エワ俺のタイプだなんと言っておった、私はどこが?との思い結局我々は心で勝手に価値とか幸福・不幸とか何もかも決め付けて

しまっている訳で、しかも時代や場所によっても全然違ってくる。よって見方次第で全てが変わるとなるとこの世界は確かな物など

ありゃしない。 あなたも私も集団で幻を見て生きているのでは?   
 
 
巨人・スウェデンボルグ伝              サイン・トクスヴィク 著
 
もしこのHPを読んでる方で、この本を知っている人がいるとしたら、その方は相当なマニアか又はある意味で私と同類であるかも

知れません。 この本は今から250年以上も前、1688年~1772年に実在したエマニュエル・スエデンボルグという科学者で神

秘主義思想家で霊能者の伝記である。彼はその当時での許された範囲であるが天文学・物理学・数学・医学・化学・哲学者で、い

わゆるマルチ天才であった。そんな彼が行きついた疑問が「人間とは何か」との問から、その研究範囲が人間と非人間界(霊界)

までも含めた世界にまで渡っている、晩年は宗教的な方向へと傾注して行った。しかし彼が残した科学的予見は現代の宇宙物理

学・量子力学・解剖学・大脳生理学などを含めた理論をその当時既に言及していたのである。
 
しかし250年前と言えば日本では江戸の中期ぐらいでしょうか?こんな人間が既に存在していた事に驚かされます。この本を読む

には多少忍耐力が必要かもしれません。