図 書 室39
ホツマの宇宙観                                                                                鳥居 礼 著
 
2ケ月間掛けて全国一周の旅をして来た、旅の目的の一つとして全国の神社仏閣などに訪問し、その存在の意味を見て感じようと言う

意図があった。  日本には神社だけでも大小含めると11万ヶ所以上存在すると言われている、勿論全てを廻る事は物理的に不可能

であるので結果、有名な所を中心に訪問参拝した。
 
日本古来の神道の源流にある思想や古代人の思いは?との好奇心が掻きたてられるのである。
 
この事と本はどの様に関係するか?それはホツマツタエと言う古代文献を通し、古代人の思想に触れその真髄となる宇宙観に付いて

考察してるのである。
 
まずホツマツタエに付いて簡単な説明をする、古代大和ことばで綴られた一万行に及ぶ叙事詩で縄文後期中葉から弥生、古墳前期ま

で約一千年の神々の歴史・文化を今に伝えてる。その作者は、前半 天の巻・地の巻をクシミカタマ(神武時代の右大臣)が、後半 人

の巻をオオタタネコ(景行天皇時代)が編纂、筆録と記されてる。
 
この文献からは上記のように『古事記』『日本書紀』より遥かに古く、縄文時代にまで遡る。そして西洋文明が発生する以前にとても深

遠な宇宙観を構築しており結果、西洋文明にも大きな影響を与えたのである。
 
古代の宇宙観には基本的な3つの要素がある、それは『円』 『柱』 『螺旋』である、宇宙の空間、運動、交流を象徴するもので地上で

の宇宙表現に用いられる。 それは建造物の形態や様式又儀式などで、更に言語などの基本構造となている。 例えば日本語のアイ

ウエオに関しても構造的に言霊としての性質が内包されている。
 
ここでの解説はほんの一部であるが、これらの事から日本古代には計り知れない叡智があった事が伺えるのである。
 
この本を読んでいくと先に述べた西洋文明との係わり合いで面白い事が浮かび上がってくる、例えば旧約聖書に出てくるアダムとイブ

の楽園とは常世の国である日本を指しており、中国のタオ思想、シュメール文明、エジプト文明、ギリシャ神話、インドバラモン、アフリカ

のドゴン、仏教、など多くの文明・宗教に深く関わりのある事が指摘されている。  更に神聖幾何学との関連さえをも示唆されているの

である。 日本人の祖先はこの地球文明の初期に於いてとても重要な位置にいたと言う事であり、神道などで日本は神の国と言われ

る所以はこんな事から来ている。   
 
簡単に本の紹介をしたが古代思想の記録であるホツマツタエはとても奥が深い事を理解して頂けると思う。

        
ここで多少飛躍するが、何故、日本は現在世界の中であまり責任ある立場になれないかであるが、これは単に戦争で負けたとか、黄

色人種であるとか言う単純なものではない、一説によると遥か昔から続いている影の世界の征服者であるフリーメーソンが関係してお

り、どうやら日本古代の洗練された文明思考すなわち人間と宇宙そして自然は一体であると言う思想はこのフリーメーソンにとっては

脅威であったが故に歴史上多くの面で封殺してきたとされている。

(これは多少考えすぎかも? ちなみにこの本とは関係がありません)
 
まあ本当であるにせよ無いにせよ、どちらにしてもこれから世界が、いや地球が変わっていく時に日本には多くの役目と責任があるの

は間違い無い事実である。 何故なら日本は古代に於いて世界の雛形となる文明を持っていた、よって初期の地球文明を構築した原

初民族であり、現代の地球文明・世界に付いての責任があると言う事となる。  どうしてか? 要するに手を出したのであれば最後ま

で面倒みなさいと言うことである。
 
ただ地球文明を構築した原初民族であったと言って決して優位民族などと驕ってはいけない、重要なのは先人の教えである宇宙その

ものの表現である人間と自然との共存を身をもって示さなければならないと言うことではなかろうか。
 
殆ど略奪と言える現代の物質文明は終焉を迎えようとしている、今後この旧態的な物質文明に残ろうとする人々と自然との共存を選

択する人々とに2極化される。
 
貴方はどちらの世界を選択するのであろうか?