図 書 室30
一日ひとつの生き方『小さな幸福(しあわせ)』                  堀田そう 
 
この本を知ったのは不思議なご縁で著者との出会いによってであるが、久しぶりに出会った面白い本で一気に読んでしまった。
 
まずは内容紹介から。
 
江戸時代の実在した庶民を中心に破天荒な人々や俗人の先端と言える様な人物の生き生きとした人間模様をユーモアを交え考察し、

そして更には著者本人の体験談など織り交ぜ絶妙な語り口で展開していくである。又ほぼ私と同年代と言える著者の体験談は多くの

共感を呼ぶのである。
 
しかしそのユーモアの中にも江戸時代に於ける風俗や当時の人々の生き方、そしてその背景にある社会哲学は正に現代社会の我々

のお手本となる重要なメッセージが込められている。だからと言って決して江戸時代の人々皆が聖人君子で有ったわけもなく、特に性

風俗に関してはおおらかであった様でこの本は特にこの分野を大いに切り込んでおり、ついつい夢中に読んでしまうのである。  あ~

悲しいかな男の性。。。
 
それはそれとして物に溢れた現代社会は一見文化的にも江戸時代より優れているはずと思うのが一般的であろうが、物質的には恵ま

れており基本生活が如何に豊かであったとしても人々の心と言う観点から比較するならむしろ江戸時代の人々の方が遥かに豊かで自

由であったと言えるかもしれない。
 
これに関しては何も日本の過去に戻らなくても、世界を見渡せば素朴な生き方の中で心豊かに生活している人々は大勢いる。しかしや

はり日本人として祖先に当たる江戸時代の人々には当然親しみを感じるし、ましてや現代の日本社会も江戸文化の多くを継承している

その様な点からも我々の身近な過去の人々から多くを学び取るのは自然な事なのだろう。 私は今まで時代考証物や江戸文化史など

は殆ど興味の対象から外れていたがこの本を読んで改めて江戸時代の魅力を感じた。
 
著者と知り合った事は大変幸運であったと言えるし本人の顔を思い出しながら読む本はまた格別の感がある。
 
ちなみに著者名はペンネームである。またこの本はamazonで注文しないと手に入れられない。
 
 
 
シリウス革命                                             半田広宣 
 
マニアックの極みと言える本である、俗に言われるトンデモ本の部類とも言える、しかし書かれている内容に不思議な整合性がある為、

単に無視出来る内容で無いのも確かである。人それぞれであるがこの本の真意を理解するには一定のレベル以上の基礎知識が必

要で
思考パラダイムの飛躍が必須となる。
 
前置きはさておき内容を簡単に説明する。
 
この宇宙は太陽系以外は存在しない、生物学でダーウィンの進化論は基本から違っている、人類が存在しているからこそ地球が存在

てる、今サイクルの人類の歴史は6500年前に突然始まった等々、一般常識とされている考えとあまりにかけ離れており通常の読者

途中でほぼ投げ出す本である。
 
しかしここで論じられている事すべてを完全に否定できないのも事実である。何故なら今の常識とされている論理がある領域では説明

しき
れない状態が生じるからであり、そしてこの本で登場する理論展開が見事で、全ては意思の投影でありそれは対称的でフラクタル

な周期
的階層構造で構成されていると言うのである。 基本は意識でありその表現に用いる形態が幾何学と数学となる。
 
この本で鍵となる『意識』が存在の全てであり、且つ創造の原点で生物・無生物、果ては原子・電子・素粒子までをも含めたあらゆる物

は階層化・対称化された意識の投影であると言う、そしてその先を辿って行くと我々自身がその意識であり、個であり、全てである。

別な
表現で言うなら 我々=神であり、この世界は我々が創造しそしてそれを経験していると言うものである。 ここでは我々の宇宙の

概念・
生命の概念そして人間の概念、果ては宗教思想までをも覆す新たな概念が見え隠れする。
 
我々は自分自身が思っているほど小さな存在などでは無く、遥かに偉大で大きな存在なのかもしれない。
 
とにかく常識人と言われる方には思考を大きく飛躍させる効果がある事は保証できる。
 
がしかし、私が想像するにこの本をナンセンスと途中で投げ出さずに最後まで読み理解出来る人は殆どいないと思うが如何であろうか

この本は600ページもある力作で難解な理論展開は一回読んだだけでは理解が難しい。 眠れる貴方に読んでもらいたい一冊であ
 
る・・・余計ねむったりして。。。