図 書 室25
ギャン理論                           青柳孝直 著
 
サブタイトルに『最後ました究極の相場理論』とある、はてこの本は一体どの様な本なのか? 
 
ずばり、株や商品相場の金融相場界でバイブルと言われる理論を構築した人の伝記本である。
 
最初に簡単に彼の略歴にふれておきます。W.D.ギャン1878年アメリカのテキサスの綿花栽培農場で生まれ、母親の影響で幼い

ころから聖書に没頭しこの聖書の解読によって得た知識を後に投資手法に応用し、過去700年にわたる相場の変動を調べ上げギャ

ン独特の『サイクル理論』を編み出し生涯勝率90%と言う驚異的な勝率を維持したのである。
 
さて何故この本を取り上げたかであるが、私は外国為替証拠金取引、一般的にはFX(リスクコントロールしやすい手ごろな投資)と呼

ばれているものを実際に行っている、勿論始めて間もないのであるが、当然始めるに当たって色々な本や資料を調べその中からこの

本に出会ったのである。
 
では本文の紹介と行きます一般的に『相場とは人間が作るもの』と言うのが常識かと思いますが、彼の基本理念は『相場とは大自然

である』との考えが基本となっている。
 
そして彼の宗教観である人間と自然との関係から人間で言えば人生の浮き沈みがある様に相場にも高い時期があれば必ず悪い時

がある、そしてチャートと呼ばれるデータを解析しそのデータから先を想定する事が可能であると言うことである。
 
特に特徴的なのは『振動の法則』を通じて強度・出来高・方向性が決まりその銘柄は明確な活動範囲に従って値動きすると言うもの

です。
 
ギャンはその鋭い観察眼と波動理論とも言うべき相場理論を基に勝ち続けました。
 
しかし私は特にギャン理論で重要と思ったのは彼も言っているが、リスクコントロールこれが全てにおいて重要であり、これが出来な

いのであれば投資に手を出してはならないと断言しています。そして勝ち続けるとは正にこのリスコントロール出来る投資家のみが実

現出来る世界なのであると。
 
ここで1つ2つ彼の格言を記載致します『この宇宙の全ては楕円か円を描いている事を念頭に置いて下さい、これは精神的なもので

あれ、物理的な物であれ、全てに応用されるのです・・・中略・・・その発想が良いか悪いかによって良い結果、悪い結果が付いてくる

のです、これが我々が自覚しなければならない真実です。』
 
『株式や先物を計算するに当たって、私は過去の歴史を調べ、そのサイクルがどうなっているかを見つけ出します、そうすればそれが

過去の繰り返しであり、それからの先の動きを予言する事が可能となるのです』
 
この様に彼は人間や自然や社会を含め相場と言う世界も一つのサイクルでなっている事を見抜きそれを応用して実践し実績を残し

たのであった。
 
更にこの本では実際の相場の読み方や即実戦で使用できるテクニックも記載されており、もし相場や投資に興味があるなら是非呼ん

でおくべき重要な本と言える。
 
この本で学ばなければならない所は大いにあるが、やはり投資や相場もそうであるがリスクコントロール、要するに自制心はどの様な

事にも当てはまるカギなのである、そして観察と分析が攻めるべき時を見出してくれるで勝ち抜いた男が遺。 
 
 
テスラ                                新戸雅章 
 
トーマス・エジソンを知らない人はいないと思う・・・そう蓄音機や白熱電球の発明家で発明王と言われた人物である。しかしこの著書

のテスラと言う人物をご存知の方はそんなに多くは無いと思うが如何であろうか? しかし彼こそが貴方が何気なく室内の照明のスイ

ッチやTVの電源を入れている電気を発電所から送電している交流伝送方式を発明した天才なのである。しかもエジソンとは同じ時期

に彼の職場(現在のGE)で働いていたのである。
 
更に彼の発明は蛍光灯の原理や電子レンジの高周波熱の発見、無線操縦技術など現代の生活に計り知れない功績を残しているの

である。
 
しかし私がこの著書を解説したのには別の意味がある、ある意味でテスラは天才であった事は間違いないが、その発想が飛んでい

たと言う表現がぴったりである、とにかくSF的発想なのである。もう一つは彼はエジソンとの比較に於いてあまりに一般に知られず評

価されていない点が上げられ、風変わりではあったが彼の残した発明や業績はもっと評価されるべきと思うからである。
 
少々の批判となるが、この本の著者はテスラの伝記の本筋から離れ、拡大解釈で自己のテクノロジー持論への展開が多すぎる気も

するが読んでいてまずます面白い。