この本はある意味で衝撃的な本と言える。この本に出てくる科学者たちは異端と言われる人々である、しかしいつの時代にもあくなき
好奇心と革命的な発想を展開した先駆者と言われる人々が存在したのも確かでありその人々たちが科学の発展と人類の意識を変え
て来たのである・・・・・。
では内容を紹介をしたいと思う、キーワードは『ゼロ・ポイント・フィールドZPF』 宇宙の量子エネルギー場(量子真空)を表した言葉で
この概念が人間の身体、脳、細胞DNAを含め、果ては意識までも含めたコミニュケーションにかかわり、そして究極的には宇宙創世
に関わる事象をも含む概念なのである。
最初に世界(我々が存在している3次元世界)には大まかに2つの大きな物理理論が存在する。ひとつは極大世界、宇宙そのものを
説明する宇宙理論物理学でありその根幹をなす代表的な定説である4つの力(電磁気力・重力・強い核力・弱い核力)、そして極微の
世界を説明する量子理論物理学の素粒子論(陽子・電子・中性子etc)などである。しかしこの二つの基本理論はある領域において整
合性が取れない状況が生じてしまうのである、そこで森羅万象全てを説明出来る統一理論を目指すべく現代の理論物理学者たちは
先人が作り上げた理論を基に量子論の枠を大きく広げ『ホログラフィック論』や『超ひも理論』や『M理論』などを考え出しかなりいい所
まで来ているのである。(ひも理論などでは6次元とか11次元とかに時空間が折りたたまれているとか・・・・???)
ではこのZFPはどの様に関連してくるのかと言うと量子物理学の方程式の中で常に差し引きゼロとして無視されてきた項目に注目し
た科学者が、モノとモノの間の空間には微小な振動の海があるとの考えを基に我々の宇宙はエネルギーに満ちた海、要するに巨大
な量子場であると考えたのである。
先に話をした宇宙理論物理学の4つの力(4つの場)に対して第五の場と呼ばれるのがこのエネルギーに満ちた量子場を指すのである
(先のホログラフィック論に近い)ここまで読まれた方で宇宙論や量子論などに興味のない方はそろそろあくびが出てくる頃と思われる
しかしここからが驚きなのである、我々人間を含む生命と言われる存在は、もっとも基本的な水準においてこの無尽蔵のエネルギー
の海との間で常に情報交換しており更に、我々の細胞やDNAの支配にいたるまで、果ては思考(心)までもが量子プロセスに従って
動いておりまさに我々は宇宙と共鳴しているのである。
この本を読み進めて行くと人間の意識から、なんとその人の願いすらこのZFPからのエネルギーのとり出し方によっては叶うのであり
また我々が認識している世界は集合意識が作り上げていると言うのである。更に超能力と言われるリモートビューイング(遠隔視)や遠
隔ヒーリングまでもがこのZFPで説明出来ると言うのである。
この事に関し、かなり慎重に科学的背景をしっかり維持しながらの説明が驚きである。
ここまで来ると果たして科学と言えるのだろうかと一般人は思うはずである、しかしさすがは懐の深いアメリカであるこの様な研究を認
め更に予算を拡大しているのである。
日本人は肩書きに弱いのでどの様な大学の研究者が行っているかをざっと書くとスタンフォード大学・アリゾナ大学・プリンストン大学・
NASA・etcと言った一流大学や研究所で実施されているのである、日本でこんな研究すると言ったらどの大学や学会からも相手にさ
れないだろうと思ってしまうのである。
ちょっと言いすぎかもしれないが埼玉の和光市にある理化学研究所の脳研究所の評価で、何百億円と予算をつぎ込んで末節と言え
る成果はあるが、未だに大発見となるような研究成果は聞こえてこないのはここら辺に問題があるのかも知れない?。
話は飛ぶが、かなり先に紹介した本の中で気が付いたのであるが、老子が説いた『タオ』思想および仏教思想の『空』の思想は正にこ
の『ゼロ・ポイント・フィールドZPF』を言っているのではないかと思ってしまうのは私だけであろうか・・・・・。