図 書 室16
人はなぜ憎むのか                       ラッシュ・W・ドージアJr著    
 
この本は人間のもつ憎しみのメカニズムを脳神経学や精神医学などから実際のアメリカで起きた事件及び世界各地での紛争などを基

に分析したものである。直接的には触れていないが特に9・11テロ事件を意識して書かれている。憎しみとは何であろうか?それは増

殖し伝染し型を変え人々全ての幸福を脅かす。
 
教育や環境が人間の意識構造(脳内構造)を変えてしまい、恐怖を植え付けて破壊的な憎しみを生産し始める。人種・宗教・貧富・愛

憎この様な事が複雑に絡み合って憎しみが出てきてしまうのである。どうしたら解決出来るのだろう?
 
この本では『明確』『協力』『冷静』などのキーワードが解決の糸口と言っている、その中でも特に『共感する』が特に重要な事であると論

じている。
 
ここからは私の考えになるが、人間の心を突き詰めて行くと基本的にはつぎの事が全ての思考基本となっている、それは『愛』と『恐怖

』である。貴方が自分の身(心)を守ろうとする時を想像して欲しい、人と喧嘩をしている時、職場や権利やその立場を守ろうとする時、

恋人が貴方から去ろうとする時、人から無視された時、等々例を上げればきりが無い。これらは自己の身の危険や今ある物を失って

しまうのではないか又、自分は価値が無いのではないかとの『恐怖心』が基なのである。それに対し仲間と同じ何かの目標に向かって

進んでいる時や、恋人と心身共に共有してると感じている時はまさに『愛のある』状態である。これらは個人から最後は国家まで関係し

てくる。シンプルに考えると結局世の中の全ての出来事の元となっている。そしてその恐怖心の次にくる変異系が憎しみで相手を傷つ

けたい衝動に駆られる。又、別な角度から見ると、いがみ合う人間関係とは共に潜在的に自己の姿を相手に写し出している、そこには

お互いに自己の恐怖心が見え隠れしているのである。
 
私はこの様な状況を考える時、貴方は何か失う物があるのですか?と問いたい 自分の立場?財産?家族?人からどう見られるか?

明日からホームレス? 今まで色々な本の所でコメントして来たが私が思うに全ては幻想ですよと言いたい。事実幻想である。何故な

ら今あると思っていても何時までも続かないと言う事。更に友人や親子や夫婦や恋人の関係でよく愛が反転し憎しみに変わると言うが

この場合はどちらかと言えば執着が憎しみに変わると訳したほうが良いと思う。
 
自己に自信があれが何も恐怖に感じる事はない訳で、どんな立場にいる相手でも卑下する必要もなければ尊大な態度をとる必要も無

いずである。重要なのは我々は相対の世界に住んでいると言う事(見方が変われば価値がガラリと変化する)、自分を愛せない者が

人を愛せないと言う事、自己は勿論、全ての人には価値があると言う事(この事はどこかで詳しく説明したい)
 
それを知った時、自己に自信が出て恐怖は無くなり人を憎む必要が無くなるのである。満たされている貴方が何故に人を憎む必要が

あろう・・・。
 
(こう言っている私は決して恐怖が無い訳でも、全ての価値を知っている訳でも無いが少なくともそのメカニズムの基本構造は理解した

いと思っている)             
 
 
男と女の進化論                                竹内 久美子 著 
 
女のシワは何故できる?男はなぜ禿げる?背の高い男は何故もてる?上流階級の女は何故老けない?ポルノは地球を救う? こん

な問に次々と理論的解釈を加えていく著者、彼女は京都大学理学部出身の博士号の持ち主で(この本の内容から恐らく霊長類研究

所出身と思われる)。遺伝子の働きから動物の行動、特に人間の行動をユーモアタップリの見解で述べている。この本ではないが、こ

の手の内容で最も有名な本はドーキンスの『利己的な遺伝子』がある。是非ご一読いただくと世の中の男女の見方が変わるかも知れ

ない。その他で彼女の関連の本では『そんなばかな』『賭博と国家と男と女』の著書も中々面白い。
 
この本の内容と離れるが、人間関係でよくあの人とはウマが合うとか、どうも波長が合わないとか言う場合は明らかに何らかの力が働

いているものと思われる。人間の性格や行動のパターンは占いなどでは血液型・星座・干支占い等、最近は六星占星術とか風水・四

柱推命など数々の占いが存在する、これはその人の生まれた時空間に於ける外部環境の波動影響をパターン別に分類したのもので

あろうと推測される。確かに血液型でも大まかに性格が分類できるのは否定できない。ここからは私の仮説(多少強引ではあるが)で

ある、人間個々には固有の振動数が有り、どうやらこの振動数の違いは前記の血液型や生まれた年月日がある程度影響している様

である。勿論全部が全部と言う訳で無く大雑把に言ってであるが。得意不得意の分類ぐらいは少なくとも可能である。いずれにせよこ

の波動たるものは何であろうか?波長が合わない人間同士の付き合いは苦痛であり、合う人間同士では快適なのは皆様も十分経験

済みと思われる。

これは性格だけでなく身体(健康)にも大きく影響してくる。 例えば笑いが免疫力を高める事は臨床医学でも認められておりこの笑い

こそその人間の持つ固有周波数の変化を示す。いずれにせよ波動がキーワードである。 更に話が変わるが物理学者が言うには地

球と言う惑星は約7HZの振動数で振動しているそうである。