有念も無念も徒に精神を疲れさせるばかり
そのどちらを好んでも避けてもならない
一なるものを求めるなら
感覚や思考さえ嫌ってはならない
感覚や思考を完全に受け入れることは
真の悟りとおなじなのだ
賢者は目的を求めて努力しない
愚か者は目的を求めて己を縛る
法は一つであって多数ではない
区別は無知の愛着から生じる
心をもって真理を求めることは
最大の過ちだ
迷えば安心や不安が生じ
悟れば好きも嫌いもなくなる
すべての二元対立は
自己中心の分別から生じる
それらは夢まぼろし、空中の花
つかもうとするだけ愚かなこと
得も失も、是も非も
すべて一度に放り出してしまえ
もし心眼が眠らねば
すべての夢は自然に止む
心が分別をしなければ
存在は一なるものとしてあるがままに在る
この深遠な神秘を理解すれば
すべてのもつれは解きほどかれる
千差万別の存在が平等に見られれば
あるがままの自然の姿に帰りつく
この原因も関係性もない状態では
比較も比類もできない
動を静とみなし、静の中に動きを見なさい
すると動も静も消え去る
二元性が存在しなければ
一なるものも在りえない
この究極の境地には
どんな法も描写もあてはまらない
道と一つとなった平等な心に
自己中心的な計らいはない
疑いも恐れも消え
真理を信頼していきるのだ
束縛を一撃で断ち切り自由になれば
印象はとどまらず、記憶すべきこともない
すべては空、明らかにして自ずと輝き
心を用いることもない
想念、感情、知識で推し量れない
このあるがままの世界には
自己もなければ他己もない
この実在と調和の内に在るには
ただ「不二」と言うがよい
この「不二」の中ですべては等しく
すべては包み込まれる
世界の賢者たちは
この根源的真理を体得している
真理は時を超え
絶対の今の一念、そのままで永遠なのだ
ここも空、そこも空
だが無限の宇宙は常にあなたの目の前にある
極大と極小は異ならない
境界を忘れ去り、区別を消し去れば
存在も非存在も同じこと
すべては一つ
一つはすべてだ
このように悟るなら
不完全を思い煩うこともない
この真理を信頼して生きることが不二の道である
不二とは信頼と一体なのだから
道は言語に絶している
そこには昨日も明日も今日もないのだ。