図 書 室11
奇想、宇宙を行く                         マーカス・チャウン 著
 
 
最近私は2~3冊同時平行的に本を読む事が多い、その中にこの様なサイエンス物の本が入ってくると思考領域の違いからか読書

ペースが少しおかしくなってくる。
 
さて、この本の紹介であるが最先端宇宙物理学の物語であるが内容はいたって分かりやすく面白い。
 
最新の宇宙物理学は『鏡の宇宙』とか『多宇宙』、『多次元世界』等とか、一昔前であればSF小説の世界でしか語られないものが、先

端を行く物理学者がまじめに研究し始めている所が驚きで勿論SFとは違い高度な数学理論の上での話である。歴史的には理論物

理学の後は実験物理学が実証となるが、ここまで来るとほぼ不可能であろう。
 
例えば多宇宙に関しての考え方は我々が所属している宇宙は一つの泡の様な形態であり、その他多数の泡宇宙には次元も物理法

則も異なったものが存在しうると・・・。ここまでくるといくら数学理論上の構築とは言え、うーんと唸ってしまう人が多いと思うが。
 
一般的な我々(凡人)の世界観は物質、時間、空間、生命などに対し思考は非常に限られたものであるが事実は複層多次元的でしか

もその関連は互いに共役(必要)な関係で成り立っている様なのである。
 
しかしここで私が注目するのは、人間特有の能力である想像と言うツールを使かって多宇宙までも思考してしまうことである。我々は

生まれながらにしてどの様な状況にある人でもポジティブな事・ネガティブな事・低俗な事・些細な事・壮大な事から果ては多次元多宇

宙までも想像できうるすばらしさ(能力)を備えていることである。その意味に於いて全ての人は平等である、自由に想像(創造)の範

囲を広げる事ことによって可能性は無限とも言える。
 
話は変わるが、貴方にはこの世界(物・生命・思考)は全て波動であると言う意味が理解できるだろか?あらゆる物質・光(電磁波)な

どは波長の違いによるエネルギーの変位系であると。我々の思考も波動でありその延長線上で考えると、思考(創造)によって他の物

質に影響を与えたり他の人に影響を及ぼしたり究極的には物質までも作り出したりする事が可能であると言う。 これは夢物語では

無い。
             
 
 
 愛するということ                 エーリッヒ・フロム 著                           
 
 
このタイトルはあまりにストレートすぎて私には場違いな気がする。この本を取り上げた理由は後ほど説明するとして、この著者は哲

学者で『自由からの逃走』と言う著書が有名である、この本をご存知の方は哲学に多少興味をお持ちかもしれません。
 
このタイトルである『愛』人類の永遠のテーマといって差し支えないと思う。定義はさておき我々が考える愛とは?未婚の男女が考える

愛とはそのラブストーリーか又は性愛ぐらいがオチ?通常の夫婦間の愛とはお互いに求める物が一致しているうちは良いが食い違い

はじめると耐え続けるか、別れるかの危機に陥る可能性が高い。しかしそれを通して人間的な成長と真なる愛を経験するのかもしれ

ない、この事は男女間や夫婦間やだけでなく沢山の例があるはず。
 
しかし一般的には資本主義の取引愛とでも言いましょうか、貴方が愛してくれたら私も愛してあげるてか~ 男女間のみでなく仲間・組

織etcにも当てはまる。
 
勿論、真実と思える愛も多い、例えば親が子を思う愛など。 
 
基本的にはどの様な環境にあろうと人は孤独である(少なくともそう思っている)人間にとって孤独を癒すために愛に飢える事実は無

視しようがないはずである。
 
私はこの資本主義愛(私の造語です)を批判している訳では有りません、しかし継続的な関係を求めてもあまり長続きしないのではと

思います。私がなぜこの本を取り上げたは、スピリチアルな本や宗教関連で共通している教えの根源と言える『愛』『慈悲』の本質が今

一つピンとこないからである。 逆に言うとまともに考えてみなかったとも言えるが。
 
難しいのは執着なのか愛なのか・・・。(こう論じていますが私はバリバリの俗人である事に変わりがありませんのでご安心を) ここで

貴方に質問『あなたにとってかけがえの無い一番大切な物は何ですか?』是非じっくり考えてもらいたい。そしてその答えの真実性を

貴方の中で実証し揺らぎが無ければその答えが本物かもしれないし、そこに真なる愛のヒントがあるかもしれない。